作家 箱瀬淳一

想い

蒔絵、ひいては漆仕事と聞いて貴方は何を思い浮かべるであろうか
実直に作品と向き合い没頭する姿だろうか
それとも卓越した技術を身につけるべく日々邁進する様子だろうか
それは確かに職人、作家の姿の一面だ
だが全てではない
もしそれがすべてであったとしたなら貴方が目にするこの息をのむ作品は生まれなかったろう

 

世界は広い
多様性に満ちている
当たり前すぎて見落としがちな事実を私たちはいつも心に抱いている
椅子に座り、机に置いた作品のみを注視することなく
顔を上げ景色を眺め季節のうつろいや
自然の美しさを感じ

時には日本を飛び出し異文化そのものに触れに行く
生み出すものは自分の中から捻り出すものではない

 

 

多くに触れ、多くを取り入れ、それを己の中で消化し、新しくも懐かしいものを生み出す
それは何も特別な事ではない
貴方が見上げる空の色はいつだって違う
貴方が読む本や観る映画から受ける感動や興奮は新たな刺激を与える
その日着た服の感触
吹く風が頬を撫でる柔らかさ
その日歩いた町並み、歩く人々
視線を留めれば、それらは何時も鮮やかな色をしながら自分の中で満ちていく

私たちは、こうして形にしているだけなのだ
様々な鮮やかさと、新鮮さと、不可解さを
好奇心と、創作意欲でもって「作品」を作り上げる

私たちが感動し、心打たれたもの
私たちが大切にし、ぶれずにいたいと願うもの
新しく、そしてどこか懐かしい「作品」たち
それが貴方の新たな刺激になれればと思うのです

 

ヴァン クリーフ&アーペル
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箱瀬 淳一

コラボレーションプロジェクト 映像

2019年の夏、一つの大きなプロジェクトが輪島で行われました。

Van Cleef & Arpels と一緒にお仕事をさせていただいて10年以上。
その一つにパピヨンラケという日本の蒔絵をほどこした作品があります。

この度、その蒔絵の繊細さ、作り手の想い、信念を素晴らしい映像に仕上げていただきました。

Van Cleef & Arpels 社のご厚意によりここで公開させていただきます。

ぜひご覧くださいませ。

 

 

Van Cleef & Arpels x Junichi Hakose
動画再生
蒔絵デザインの由来

モチーフの位置、数、表現方法、
何をとっても普遍的で
ずっと愛されるものを
目指している。

蒔絵技術紹介

蒔絵は、想像のものを描くというよりも、
一番身近なものを描くということが
最初の原点。
そこが出発である。